企業で技能実習の外国人失踪・途中帰国12,700人(10.10産経新聞)

企業で技能実習の外国人失踪・途中帰国12,700人  18、19年度

発展途上国への技術移転を目的に国が推進する「外国人研修・技能実習制度」を会計検査院が調べた結果、2年目以降の技能実習途中に受け入れ先の日本企業から失踪したり、帰国したりした外国人が平成18、19年度で計約12,700人に上ることが9日、分かった。

検査院は、同制度をめぐり 低賃金労働や賃金未払いなどのトラブルが続発しているため実態を調査した。厚生労働省が運営委託先の財団法人に支出した費用は両年度で計約7億3,000万円に上り、検査院は厚労省に研修生、実習生の雇用状況を把握し、制度の効果が十分上がるよう改善を求めた。

同制度では、1年間の「研修」を経て、2年目から「技能実習」に移り、最長3年間で習得する。研修生の失踪などは、企業側に報告が義務付けられていないため、把握ができなかった。

検査院によると、滞日が2,3年目になる技能実習生は、18年度が計約92,000人、19年度が計約111,000人で、うち失踪した外国人がそれぞれ1,668人と2,125人。途中帰国が出国記録で確認された外国人は、18年度が2,296人、19年度が5,704人だが、失踪後に帰国が判明した人も含み、正確な内訳は不明という。

受け入れ先の約6割が従業員50人未満で、パスポートの強制管理、不適正な賃金控除や最低賃金割れ、労働保険や社会保険の未加入など、法令違反の疑いのある企業も。検査院は「零細企業は外国人の指導が行き届きにくい」と、失踪や途中帰国の背景を指摘している。


外国人研修・技能実習制度

発展途上国への技術移転や人材育成を目的として平成5年に創設。昨年は1年目の研修生として約102,000人が入国した。技能実習への移行者は約54,000人で、国別では中国が8割を占めている。受け入れ先企業の過半数は従業員50人未満で、業種は繊維・衣服、機械・金属、食料品製造などが多い。パスポートの取り上げや賃金未払い、劣悪な労働環境が問題になるケースが多く、国が不正行為に対する規制など制度の見直しを進めている。