難民の第三国定住って?(02.11毎日新聞)

難民の第三国定住って? 《質問なるほどドリ》

なるほドリ 日本政府が取り組み始めた、難民の第三国定住って何?

記者 難民とは、人種や宗教、国籍、政治的意見などが原因で迫害される恐れがあるために、外国へ逃れ、母国へ戻れないか、戻る意思のない人のことをいいます。逃れた先の国には保護する義務があります。問題の解決には「安全に帰国」または「逃れた国で定住」するほか、別の国へ移して定住させる手段があり、それが「第三国定住」です。米国、カナダ、豪州の移民国などが既に導入していますが、日本はアジアで初めて実施を決めました。

 

  なぜ導入を決めたの?

  日本の08年の難民認定者数は57人(難民認定申請数は1599人)にとどまります。年間数千〜数万人の難民を受け入れている欧米諸国に比べ、非常に少ないのが現状です。そこで日本政府は国際的な責務を果たす第一歩として、今秋から3年間、毎年30人ずつ計90人を第三国定住で受け入れることを決めました。

 

  どんな手順で行うの?

  第1陣の対象となるのは、タイ北西部のメラ難民キャンプに逃れているミャンマー難民です。法務省の職員が今月2〜5日に現地で面接を行いました。移住が決まれば日本語教育などを受け、9月ごろには家族単位で来日します。さらに6カ月、日本での生活に適応する研修を受けます。当初は定住資格で在留しますが、将来的に永住資格や日本国籍を得ることも可能です。定住先も自由に選ぶことができます。既に在日ミャンマー人社会がある地域や、積極的な支援を表明した自治体での定住も考えられます。

 

  日本側のメリットは?

  難民受け入れは基本的に人道問題です。少子高齢化が進む中、結果として難民が重要な労働力になることを期待する声もあります。現在の受け入れ枠はわずかですが、将来は増やす方針です。

 

  課題はあるの?

  難民に限らず、増え続ける他の来日外国人と同様の課題があります。自治体が、住まい、日本語・学校教育、就職などあらゆる場面で支える態勢を整えること。それに加え、差別をせず仲間として受け入れる私たちの心構えも大切です。

回答・花岡洋二(外信部)

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