旅券(パスポート)の定義と種類

主に海外旅行をする際に使用する旅券(パスポート)ですが、入管法では次のように定められています。

入管法第2条5号で、旅券とは

(イ)日本国政府、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した旅券又は難民旅行証明書その他当該旅券に代わる証明書(日本国領事館等の発行した渡航証明書を含む。)

(ロ)政令で定める地域の権限のある機関の機関の発行したイに掲げる文書に相当する文書

と定義されています。

 

旅券とは、一般的には、ある人物が外国を旅行・滞在する場合に、旅券を発給した本国の政府が、旅券の所持人の国籍および人物を証明し、また発給国に帰国できることを約束し、渡航先国の当局に対して入国・滞在についての安全などの便宜供与を要請する、国家の公式な渡航文書です。 passport2.jpg

 

旅券には様々な種類があります。 

@日本国政府が承認している外国政府の発給した旅券

本国政府が自国民に対して発給した旅券であり、これが一般的に使用されているものです。日本が承認していない国の発給した旅券は、旅券として通用しないことになりますが、「台湾」の旅券は、平成10年の入管法改正により、有効な旅券として取り扱われるようになりました。

A権限ある国際機関の発給した旅行証明書

国連や国連の専門機関の職員に発給されます。

B旅券に代わる証明書

「難民の地位に関する条約」の規定による難民旅行証明書や、自国政府から旅券の発給を受けられない外国人や無国籍者に対して居住国が発給する外国人旅券などです。

C渡航証明書

無国籍者や未承認国(北朝鮮など)の人に、日本国領事官などが日本入国のために発給するものです。

旅券(パスポート)の役割と見方

旅券(パスポート)の基本的役割は、国際旅行・滞在用の公式な身分証明書です。

旅券の記載内容は、各国で異なりますが、おおむね基本的な内容は次のようになります。

@旅券の種類、番号、発行年月日、有効期間満了の年月日。

A旅券の名義人の氏名、生年月日、性別

B本籍

C旅券の発行国、発行地、発行機関

 

また、査証(VISAS)のページには、上陸許可、在留資格、在留期間、在留期限等を記した証印(スタンプやシール)が押されることになります。このページに押印された証印を見れば、その外国人の身分の確認が行えることになり、「USED」「VOID」「CANCELLED」のスタンプが押されていないものが、現在有効な証印です。

注意を要するのは、USEDとVOIDのスタンプが押されていない在留期間更新や、在留資格変更の証印で、証印のすぐ近くに「申請 APPLICATION」というスタンプが押されている場合です。これは、更新又は変更の申請をして現在申請中で、まだ結果が出ていないという意味であり、仮に在留期限を経過していても不法残留にはなりません。

旅券(パスポート)のトラブル

パスポートの紛失・盗難

旅券(パスポート)は自分の国籍や身分を証明する大事なものです。また、日本に在留している間は、常に携帯している義務があります。ただし、外国人登録証明書を携帯している場合や16歳未満の場合はこの限りでありませんが、所持している必要があります。そして、警察官や入国審査官等から呈示を求められた場合は、呈示しなければなりません。従って、万一、パウポートを紛失sたり盗難された場合は、すみやかに再発行の手続きをする必要があります。

 

再発行の手順は次のようになります。

1.警察等への届出

(1)紛失の場合

遺失物の届出を行い、「遺失届出事実証明書」を発行してもらいます。

(2)盗難の場合

原則として盗難事件の発生した場所の警察に被害届を提出し、「盗難届出証明書」を発行してもらいます。なお、被害届をだした後に、発見され回収した場合は必ず警察に届け出てください。

(3)火災・水害等によるめっ失の場合

消防署又は市区町村の役所で「罹災証明書」を発行してもらいます。

 

2.大使館又は領事館で再発行の手続き

上記、「遺失届出事実証明書」や「盗難届出証明書」等の紛失・盗難等を証明する文書と、その他の必要書類を添えて管轄の大使館又は領事館で再発行の手続きを行います。手続きの方法や必要書類は各国によって異なりますので、直接各国の公館に問い合わせてください。

 

3.入国管理局で証印転記を行う

再発行したパスポートには、当然のことながら在留許可印等の証印が押印されていないので、入国管理局で証印を転記してもらう必要があります。

 

再入国許可証印のあるパスポートを紛失した場合

日本から出国して、万一、再入国許可印のあるパスポートを紛失してしまった場合の対処方法を説明します。

 

@現地の警察に届け出て、紛失届出証明書を2通発行してもらう。

A日本での代理人(家族、知人、申請取次行政書士等)を定め、代理人に、市区町村役所宛ての外国人登録原票事項証明書交付申請用の委任状と、地方入国管理局宛ての再入国許可証印申請用の委任状の2通、そして紛失届出証明書1通を送付します。

B代理人は委任状と紛失届出証明書を持参し、市区町村の役所で外国人登録原票記載事項証明書を交付申請します。

C次に代理人は、地方入国管理局で外国人登録原票記載事項証明書に再入国の証印を押印してもらいます。そして、それをパスポートを紛失した外国人本人に送付します。

Dパスポートを紛失した外国人本人は、外国人本人の母国にいる場合はパスポート発給に関わる当局にて、また母国でない場合は大使館又は領事館にて、紛失届出証明書を持参し、新しいパスポート又は旅行証明書を発行してもらいます。

E新パスポート又は旅行証明書、再入国許可証印のある外国人登録原票記載事項証明書を持って日本に入国し、入国審査官から新パスポート又は旅行証明書に上陸許可のスタンプを押印してもらい上陸します。

F地方入国管理局に出頭し、証印転記の手続きをします。

 

パスポートの再発行のみで日本に戻ってきてしまった場合、日本での在留資格等の証印と再入国の証印が押印されていないため、査証免除の国籍の人は短期滞在の在留資格で入国することになり、査証免除国以外の国籍の人は入国できないことになってしまいますので注意が必要です。

万一に備えて、パスポートと外国人登録証のコピーをとっておくと便利です。

証印転記の手続きについて

在留資格・在留期間・再入国許可を証明するスタンプやシール(証印)を、旧のパスポートから新しいパスポートに移すことを証印転記といいます。

証印転記が必要な場合は、 パスポートの査証(VISAS)ページがスタンプでいっぱいになってしまった、期限切れになった、き損・紛失・盗難などの理由で新たにパスポートを取得した場合です。査証欄がスタンプでいっぱいになってしまった場合でも査証欄が増補された場合は、ページが増えたのでスタンプ押印やシール添付のスペースの問題はなくなります。

証印転記の手続きは、住居所を管轄する地方入国管理局・支局・出張所で取り扱っており、地方入国管理局に用意してある「証印転記願書」1通と新旧2冊のパスポートを用意して行います。なお、証印転記の手数料は無料となっています。